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都会に大きな建物があるとその隙間を走りたい―こんな気持ち、理解してもらえるものかな?
自転車で回れば、電車に乗っていても気付かない景色が見られて気持ちが広がる。
少し、語らせてもらおうか―

 

今時珍しい路面電車を横目に、王子駅から池袋へ向かうと坂が意外と厳しい。
遊べそうな施設、有名な建物は特になく、ごく普通の民家が並んでいる訳でもない。
とりあえずスーパーとかが並ぶ、娯楽も生活感もない意外と不思議な景色だなと思う。
山手線で聞く駅はまあ近いらしい、電柱に書かれた住所でこの辺りは西巣鴨という地名らしいと気付いた。

 

今度は池袋から中野に行ってみよう。
ちょっと進んで環六―317号線。
高速の入り口も入り交じった後で、地下の高速道路から排ガスを吸い出す換気塔とかいうものも見える。
このあたりはどうやら、本当に道路として使ってほしいと思っている場所みたい。

 

中野で遊べた、次に目指すのは古書店が立ち並ぶ神保町だ。
やっと見つけた民家の並びを抜け、神田川の横を、高速道路を見上げて進む。
飯田橋の駅の方から、腹減ったと話しながら歩く男たちの間を柴犬が駆け抜けるのが見えた。
駅の近くに行かないとやっぱり、人がいそうな施設から離れてしまう。

 

そして帰りは、下町の個人商店を走り抜ける。
人が作るものに込めた心が都会に散らばっていた。こんな旅は、まだまだ続けていたい。

 
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