驚き! 「例外」ランキング
物事には、セオリーとかに反する「例外」が生まれるものです。「どうして例外になったのか」という分析を行うと、物事の新たな側面を覗くことができると、筆者は思っています。今回は、様々な分野の「例外」から、ちょっと面白いものをピックアップします!
10 リンゴ・スター
名実ともに世界一のロックバンドであるザ・ビートルズは、ジョン・レノンが「クオリーメン」というバンドを結成したことが誕生のきっかけなのですが、巧みなドラミングでメンバーを支えたリンゴだけはビートルズに改名してから参加しています。また、四人の中で芸名を通名としているメンバーもリンゴだけで、本名のリチャード・スターキーは作詞作曲のクレジットでよく使っています。ビートルズ加入前から指輪好きを知るバンド仲間に「リングス」と呼ばれていて、語呂が良いよう「Starkey」の後ろ半分を略した名前とのことです。
9 ナマケモノ・カモノハシ・タツノオトシゴ
生物での例外は、人間という「生物」自身が「当たり前」だと思っていることが前提にある分、ギャップを感じますよね。そのギャップが面白い生物を三種類ご紹介!
ナマケモノは哺乳類なのに変温動物なのですが、その理由は「怠けながら生きるのに基礎代謝を下げる」ためというのが可愛いやらなんやら……。
カモノハシは哺乳類なのに卵を産むことで知られています。
そして、魚類とは思えない見た目も特徴的なタツノオトシゴは、オスが卵を受け取ってお腹で育て、出産するという生物的な例外を持っています。
8 手塚治虫の医師免許
手塚治虫は医師免許を持った漫画家であり、『ブラック・ジャック』などでそれが活かされていることは有名ですが、没後に医師免許が記念館に展示された際「免許の持ち主が死去した際には免許を返納しなければならない」と指摘されました。厚生労働省との協議の結果、「資料的価値もある上、悪用の危険性はない」とされ、返納の手続きをして遺族に返却するという特例措置が取られました。漫画の神様だからこそ成された例外措置ですね。断っておきますが、警察官や医師などの職業は、一般の人はそこに信用を持ってしまうため、その職業に就いていないのに就いていると名乗った時点で違法行為となります。
7 緊急自動車
子どもでも知っている例外がこれ。サイレンを鳴らすことで信号などを無視して緊急事態に向かうことができます。パトカーや救急車など、刻一刻を争う事態でサイレンを鳴らしている車を見かけたら、通行の邪魔をしないよう協力してくださいね。
6 上原浩治
大谷翔平選手の「二刀流」も話題になっている野球界ですが、ピッチャーから紹介したい例外がこの方。与四球率の低さでは世界的にも凄まじい数値を誇る、驚異的な制球力が自慢の投手として一時代を築いた上原浩治さんです。日本では先発、メジャーでは抑えとしての活躍が目立った上原さんは、日米通算で勝利・ホールド・セーブ全て100以上という前人未踏の成績を残しました。この成績を受け、200勝・若しくは250セーブを達成した投手が入会条件となっている名球会で理事会推薦を受け、入会を果たしています。
余談ですが、最も一般的な球種であるストレートは「速い球を投げる」ための変化球と解釈されることも多いそうです。逆に、地球の重力に従って放物線を辿るフォークは「自然な球」とも言え、「例外」という考えにも参考になる部分ではないでしょうか。上原さんのメイン球種もフォークだったのですが、キャッチャーにとっては重力でコントロールされるフォークは捕りづらいボールになりやすく、そんな球を投げていて暴投が極めて少なかったことからも、上原さんの抜群の制球力がよく分かります。
5 金星
硫酸の雲と高温高圧の大気を持つ環境が過酷な星は、太陽系の他の星とは真逆の自転を行っています。つまり西から昇ったお日様が東に沈むのです。大昔に星と衝突したことが原因とも見られていますが、「地球は生命がある唯一の星である」という「例外」は、「金星の自転は逆である」という「例外」と相対的なものとして考えれば珍しくはない、と筆者は思うことがあります。
4 水銀
どれもこれも融点が極めて高い金属は、常温では固体でいるのが通常ですが、水銀だけは液体なのは皆さんもご存じですね。熱膨張性の高さから温度計などでよく使われますが、毒性も極めて強い物質なので、壊れた古い温度計を粗末に扱ったりは絶対にしないでください。
3 白と黒
「補色」という言葉は、端的に言うと「絵具でお互いを混ぜれば黒になる色同士」なのですが、逆説的に言えば色々な色を混ぜた先にある色が黒となります。白の場合、色々な色の光を混ぜた先にある色であり、スマホやPCの画面もこの性質から色を作っています。絵具の「黒」は「減法」つまり減らすことで別の色を生み出すもの、光の「白」は「加法」つまり加えて作られる色とも解釈されます。要は、物事の根源を司る例外が「色」という分野にはあるのです。
2 「2」
第二位に、数字の「2」を選ばせていただきました。そう、偶数で唯一の素数です。そもそも「”1”と”自分”の2つの数字だけが約数になる」素数の定義の中で、「1と自分」の間に自然数がないから素数になっている訳です。「2で割れるか割れないか」だけを議論するのは単純に思えるかも知れませんが、特に累乗の計算では「マイナスを二回掛ければプラス」という法則が働く以上、「奇数乗の計算では定義できない」計算も発生するので、「偶数」って結構重要な存在なんですよ。
1 H2O
第一位は、我々の生活に欠かせない「水」です。氷になる温度(融点)から水蒸気になる温度(沸点)までを100分割したものを温度の基準として人類は扱っていますが、固体(氷)の方が液体(水)より密度が低い、水につけておけば大抵のものは溶かせるなど、科学的に例外的な性質をたくさん持っているものでもあります。そんな例外の恩恵を預かりながら、我々は生きているのですね。